アクリル塗料はほかの種類とどう違う? 特徴や適した場所などを紹介


アクリル塗料は、現在でも幅広く使われている塗料です。アクリル塗料単体として使用されるだけでなく、塗料用樹脂として使用されるケースもあります。アクリル塗料という名前は知っているけれど、どのような特徴があるのか、どんな場所に向いているのかなど、分からない点も多くあるでしょう。アクリル塗料を使用する際は、特徴や注意点などを知っておくと安心です。

そこで、本記事では、アクリル塗料が向いている場所やほかの塗料との違いなどに触れていきます。

  1. アクリル塗料の特徴
  2. アクリル塗料が向いている場所とは?
  3. アクリル塗料を使用する際の注意点
  4. アクリル塗料でよくある質問

塗料にはさまざまな種類があります。アクリル塗料の特徴をしっかり把握し、適切な場所に使用することが大切です。

1.アクリル塗料の特徴

まず、アクリル塗料にはどんな特徴があるのかを見ていきます。

1-1.光沢・発色に優れている

アクリル塗料は、一般的なウレタン塗料に比べ、光沢や発色が優れているのが特徴です。また、豊富なカラーバリエーションも魅力で、鮮やかな色を出したい場合に適しています。

1-2.低コスト

アクリル塗料は、低コストで施工できるのも魅力です。現在広く使われているのは、シリコン塗料となっています。アクリル塗料の施工費用はシリコン塗料より安価です。シリコン塗料の施工費用のおよそ7割に抑えることができます。施工費用の節約を意識している方に適しているでしょう。

1-3.扱いやすい

多くの塗料では、2液型が採用されています。ところが、アクリル塗料の場合、1液型が多くなっており、希釈や攪拌(かくはん)の手間がかからず、一般の人でも扱いやすいのがメリットです。

1-4.重ね塗りにも適している

アクリル塗料は重ね塗りにも適しています。塗膜の密着力が高く、短期間で塗装を終えたい場合におすすめの塗料です。ただし、劣化した塗膜の上から重ね塗りすると、ひび割やはがれなどが起きてしまうため、古い塗膜をすべて撤去してから施工しましょう。

1-5.ほかの塗料より寿命は短い

アクリル塗料は、ほかの塗料より寿命が短いのがデメリットです。シリコン塗料は10〜15年、ウレタン塗料は7〜10年が平均寿命とされている中、アクリル塗料の平均寿命は5〜8年となっています。しかし、低コストで施工できることから、施工費用を抑えたい方に向いている塗料です。

1-6.屋根に使用できるものが少ない

アクリル塗料は、外壁にも使用できますが、耐久性を重視しなければならない屋根に向かないのが難点です。ほかの塗料は、屋根や外壁など幅広く使用できます。アクリル塗料だけで、家全体の塗装ができないため、使用できる場所をしっかり理解しておくことが大切です。

2.アクリル塗料が向いている場所とは?

アクリル塗料は使いやすい塗料です。では、どのような場所の塗装に向いているのでしょうか? 具体例を挙げてご紹介します。

2-1.軒天井

軒天井は湿気がこもりやすい場所です。アクリル塗料は透湿効果があることから、塗膜のはがれなどが起こりにくいため、軒天井の塗装に適しています。

2-2.新築住宅の外壁

新築住宅の外壁は、伸縮する傾向があるため、最初からハイグレードの塗料を用いず、アクリル塗料が推奨されるケースが多くなっています。アクリル塗料を用いることで、経費を節約できるメリットもあるからです。

2-3.DIYで気軽に使いたい場合

アクリル塗料には、有機溶剤が使用されたラッカースプレーなどとして市販されているものがあります。DIYで気軽に使いたい場合におすすめです。室内で使用する小物類や箱などの塗装に役立ちます。低予算でも光沢のある美しい仕上がりが期待できるでしょう。

2-4.家具など木製製品

アクリル塗料は、室内用品の塗装に適しています。家具などの木製製品であれば、低予算でも光沢がある美しい塗膜にすることができるでしょう。

3.アクリル塗料を使用する際の注意点

アクリル塗料を使用する際は、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか? 注意点をご紹介します。

3-1.紫外線が直接あたる場所の塗装は避ける

アクリル塗料は紫外線や風雨などに弱いため、直接あたる場所の塗装は避けたほうがいいでしょう。塗膜の寿命を縮めてしまう恐れがあります。劣化を放置すると、塗膜が硬化し、ひび割れやはがれなどが起きる可能性があるでしょう。

3-2.湿気を室内にとおしやすい

アクリル塗料は透湿効果があるため、多湿な環境に面した場所を避けるなど、施工場所には注意が必要です。室内の湿気を屋外に逃がす効果がある反面、屋外の湿気も室内に招き入れてしまう可能性があります。

3-3.大手メーカーのものを選ぶこと

アクリル塗料はさまざまなメーカーから販売されています。しかし、高品質で美しい仕上がりを望むなら、日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研など大手メーカーのものを選ぶことが大切です。

3-4.こまめなメンテナンスが必要なことを理解しておく

アクリル塗料はほかの塗料より寿命が短いため、劣化などに注意しなければなりません。そのため、こまめなメンテナンスが必要になることを理解してから使用しましょう。初期費用は低価格ですが、塗り替え頻度を考慮し、長い目でメンテナンスの手間やランニングコストを考えることが大切です。

4.アクリル塗料でよくある質問

アクリル塗料に関する質問を集めました。

Q.アクリル塗料の中でもひび割れなどが起こりにくいものはあるのか?
A.はい、あります。アクリル弾性塗料と呼ばれる種類です。モルタルやコンクリートに使用されることが多く、弾力があって、防水効果も高いとされています。しかし、アクリル塗料の共通点として、ほかの塗料より寿命が短めなのが難点です。

Q.1液型が主流のアクリル塗料は、余ったものを再利用できるのか?
A.はい、できます。2液型のものは使えませんが、1液型のものは再利用可能です。DIYなどで頻繁に塗料を使う場合、余ったものを保管しておけば、必要になった際にいつでも使用できます。

Q.アクリルシリコン樹脂塗料とは?
A.シリコン樹脂を含有したアクリル塗料で、密着率が高く、外的要因にも強いのが特徴です。汚れや水を弾(はじ)き、従来のアクリル塗料より美しい状態が長持ちします。公共施設などに使用されるケースが多い塗料です。

Q.外壁全体の塗り替えでは、アクリル塗料を使うことはないのか?
A.はい、使うケースは少ないでしょう。アクリル塗料は寿命が短く、紫外線などの影響を受けて劣化が進みやすいため、こまめな塗り替えが必要となります。劣化によるひび割れやはがれなども起こりやすいこともあり、新築住宅に使われるケースを除いて、外壁の塗り替えに使われることはほとんどありません。

Q.アクリル塗料を選ぶのはどんなとき?
A.頻繁に塗り替えをしたい・カラーバリエーションが豊富な塗料を選びたい・低コストで仕上げたいという場合に、アクリル塗料が選ばれることが多いでしょう。とはいえ、こまめなメンテナンスが必要なため、塗り替え頻度を考慮すると、シリコン塗料のほうがランニングコストを削減できる場合があります。

まとめ

アクリル塗料は、光沢や発色に優れた塗料です。ほかの塗料より低コストで、カラーバリエーションが豊富なのも魅力でしょう。1液型で一般の人でも扱いやすいため、DIYで使われるケースも多くなっています。とはいえ、塗膜の寿命が短いこともあり、こまめなメンテナンスを要する塗料なので、使用する場所には注意が必要です。塗料選びで迷っている方は、アクリル塗料の特徴や向いている場所などをしっかり理解しておきましょう。