耐震補強工事の方法や費用は? 地震に強い家にするコツを解説!
大きな地震が起こるたびに、耐震補強工事の必要性を感じるものです。皆さんも「そろそろ家の耐震補強工事を行いたい」とお考えではないでしょうか。地震大国である日本に住んでいる以上、家の耐震は必要不可欠です。しかし、補強工事の方法や費用などよく分からないことが多くて悩んでしまいますよね、そこで、今回は、耐震補強工事の方法について詳しく解説しましょう。
この記事を読むことで、耐震補強工事についてよく分かり、適切な内容で業者に依頼できるようになります。まずは、記事をじっくり読んでみてください。
1.住宅の耐震補強工事とは?
最初に、住宅の耐震補強工事について見ていきましょう。
1-1.耐震補強工事とはどんなもの?
耐震補強工事とは、建物の修復・補強によって地震に耐えられるようにすることです。古い家など、現在の耐震基準を満たしていなかったり過去の地震などにより強度が下がったりしている家を中心に行います。耐震補強工事を行うべき主な場所は、基礎・屋根・外壁・結合部分などです。
1-2.耐震補強工事が必要な理由は?
耐震補強工事は、地震による崩壊で建物の損壊を防ぐだけでなく、住人の安全を守るためにも必要です。また、隣家や通行人への二次被害を防ぐためにも行うべきでしょう。また、耐震補強工事で家の強度が高まれば、家が長持ちします。
1-3.耐震補強工事の現状や問題点
2018年9月現在でも、現在の耐震基準を満たす家屋は95%に達していません。政府は2020年までに95%以上の達成度を目標としているものの、費用負担の問題・住人の高齢化などで思うように進まないのが現状です。特に、大地震の経験が乏しい地域においては、住人の認識が低く、工事の実施率が低くなっています。
2.耐震補強工事が必要な住まいは?
耐震補強工事が必要な住まいについて詳しく解説します。
2-1.築年数が古い
築年数が古い家屋の多くは、現在の耐震基準を満たしていません。したがって、地震による損壊・倒壊の可能性が高いのです。特に、1981年以前に建築された建物は注意してください。このままの状態では、震度5程度の地震でも大きな被害がでる可能性があります。実際に、1995年1月に発生した「阪神・淡路大震災」では、亡くなった方の9割が建物の倒壊および家具の転倒によるものでした。
2-2.耐震診断で問題がある
耐震診断の結果、問題があるとされた家は、早急に耐震補強工事を行いましょう。なお、現在の耐震基準は、以下のとおりです。
- 震度5強程度の地震でほとんど損傷しないこと
- 震度6強~7程度の地震で倒壊・崩壊しないこと
なお、一般財団法人日本建築防災協会の「誰でもできるわが家の耐震診断」も参考にしてください。家の耐震強度を簡単に診断することができます。
2-3.増築した
増築した場合、つなぎ目の部分を中心に補強が必要なことがあります。取り急ぎ増築したなどにより、強度が弱いことがあるからです。特に、2階以上の増築は注意してください。大きな地震で増築のつなぎ目部分から倒壊する可能性があります。
2-4.基礎にひびや傾きがある
過去の地震や地盤沈下・施工不良などにより、基礎にひびや傾きがある場合も速やかに補強工事を行いましょう。特に古い家は、基礎が経年や劣化などで寿命を迎えており、ひびや傾きが見られる場合が多くあります。
2-5.ピロティや吹き抜けがある
ピロティ(2階以上の建築物で、1階が柱を残して外部空間となっているもの)や吹き抜けがある家も、耐震補強工事が必要です。ピロティや吹き抜けがある家は、地震の揺れによって建物の特定部分に大きな力が加わり、損壊することがあります。特に、広いピロティや吹き抜けがある場合は、速やかに耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を進めましょう。
2-6.大きなダメージがある
過去の自然災害や人災などで、大きなダメージがある家は、適切な修理を行い、耐震補強を進めることが必要です。壁に穴が開いている・屋根の一部が吹き飛んだままなどの状態では、家の強度が低くなっている状態といえます。また、雨もりやシロアリ被害などにより、見えない部分にダメージが広がっていることもあるので注意しましょう。
3.住まいの耐震補強工事の種類
住まいの耐震補強工事の種類について詳しく解説します。
3-1.基礎の補強
基礎の補強は、耐震補強工事の基本です。基礎にひび割れや傾きを直し、建物をしっかり支えられるようにしましょう。具体的には、以下のような方法があります。
- 基礎にコンクリートを流して強化する
- 建物をジャッキで持ち上げて基礎を平らにし、傾きを直す
- 建物と基礎の間に免振装置を設置する
3-2.屋根瓦の交換
重い屋根瓦を使用している家は、軽量瓦に変更することで建物への負担を減らし、耐震性が上がります。また、万が一落下したときの衝撃も少なく、周囲への二次被害を最小限に食い止めることも可能です。
3-3.外壁の補強
窓が多く、外壁部分が少ない家の場合、外壁を増やす工事が効果的です。また、外壁を耐震性の高いものに交換したり、耐震パネルを貼って補強したりすることもできます。外壁は、地震の際に大きな力を受けるため、速やかに耐震補強を行いましょう。
3-4.結合部分の補強
結合部分を補強することで、旧家屋と新家屋部分の分離や破損を防ぐことができます。結合部分は、経年などにより劣化が特に進みやすい部分です。業者により結合方法と強度をチェックしてもらい、早めに補強しておきましょう。
4.耐震補強工事の費用について
耐震補強工事の費用について詳しく解説します。
4-1.耐震補強工事の費用相場
耐震補強工事の費用相場は、100~150万円程度です。実際の費用は、工事面積と内容によって大きく異なるため、詳しくは業者に確認してみてください。工事費用を抑えるためには、以下のようなコツがあります。
- 耐震診断の結果、必要な部分だけ工事を行う
- 工事費用の安い業者に依頼する
工事費用が安くても品質が悪いのはいただけません。複数の業者から見積もりをもらい、工事品質がよくて割安なところに依頼しましょう。なお、耐震診断の費用は、木造住宅で20万~40万円程度、鉄筋コンクリート住宅(30平米)で30万円~が目安です。
4-2.耐震補強工事の補助金について
耐震補強工事で補助金を受け取ることができる場合があります。自治体によって基準や給付金額が異なるので、ホームページなどで調べてみましょう。なお、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(平成30年度版)」を利用すると便利です。耐震補強工事で補助金を受けようとするときは、自治体が指定した基準に合致している必要があります。勝手に工事を進めた場合、補助金の対象外になることもあるので気をつけましょう。
4-3.業者選びのポイント
耐震補強工事を依頼するときは、以下のポイントを参考に業者を選びましょう。
- 耐震補強工事の実績が多く、専門知識が豊富
- 高品質な工事で定評がある
- スタッフが礼儀正しく丁寧な対応
- 見積もりは無料
- リーズナブルな工事費用
- 希望の工期に合わせてくれる
- 保証制度やアフターフォローが手厚い
なお、当藤ノ家でも、耐震補強工事をお受けしています。充実した保証制度とアフターフォローなどでご好評をいただいていますから、ぜひご相談ください。
5.耐震補強工事に関するよくある質問
最後に、耐震補強工事に関するよくある質問に回答します。それぞれ参考にし、理解しておきましょう。
Q.耐震補強工事は何年ごとにやり直すべきですか?
A.特に決まりはありません。しかし、定期的に専門家によるチェックを受け、指摘のあった部分を早めに工事することをおすすめします。
Q.耐震診断を依頼するにはどうすればいい?
A.耐震診断の実施は、建築士もしくは「国土交通大臣が定める講習を修了した者」に依頼することになっています。自治体の住宅・建築窓口にて紹介を受けるか、こちらで検索することも可能です。
Q.業者が「耐震補強診断を無料でやっている」と言っているのですが?
A.電話や訪問による営業でいきなりやってくる場合は、信用してはいけません。悪質業者の多くは無料の耐震補強診断を掲げているものの、最終的に高額な契約を取ることが目的です。「今すぐ対応しないと崩壊する」などと必要以上に不安をあおったり契約するまでしつこく話し続けたりするので、十分に注意してくだしさい。
Q.耐震補強工事の仕上がりに不満があるときは?
A.すぐに業者に連絡し、不満がある部分をチェックしてもらいましょう。明らかに業者のミスである場合は、すぐにやり直してもらえます。アフターフォローの手厚い業者ならなお安心です。
Q.耐震補強工事を行えば地震で倒壊しない?
A.断言できません。想定以上の大地震が起これば倒壊する可能性もあります。しかし、耐震補強工事を行うことで、確実に倒壊のリスクを低くできることは事実です。
まとめ
今回は、耐震補強工事について詳しく解説しました。地震が起きた際に安心して暮らすためにも、耐震補強工事は欠かすことができません。まずは、どこにどんな工事が必要かを判断し、信頼できる業者によく相談してみましょう。豊富な知識と経験により、的確なアドバイスをしてもらえるはずです。また、耐震補強工事の内容によっては、補助金を受け取ることができる場合があります。自治体のホームページなどでチェックし、該当するときは早めに申し込みましょう。