家の傾きは何が原因? 傾きをチェックするポイントや補強方法を紹介

「家の傾きは何が原因で起こるのか?」「補強したほうがよいのか迷っている」とお悩みではありませんか? 自宅の床や壁が傾いていると感じたとき、大きな不安を抱える人は多いでしょう。放置すると家全体の大きな問題に発展する可能性があるため、早めに対処する必要があります。

この記事では、家が傾く原因や傾きをチェックする方法・傾きを補強する方法などを詳しくご紹介しましょう。

  1. 家の傾きを放置する影響は?
  2. 家の傾きが起こる原因
  3. 家の傾きをチェックするポイント4つ
  4. 家の傾きを補強する方法
  5. 家の傾きに関するよくある質問

この記事を読むことで、家の傾きをすぐ補強すべき症状や、補強工事にかかる費用相場などが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.家の傾きを放置する影響は?

まずは、家の傾きを放置する影響についてまとめました。

1-1.建物への影響

まずは、建物自体に及ぶ影響です。建て付けが悪くなって窓枠やドア枠にもゆがみが発生し、「すき間風が入ってくる」「ドアや窓が開け閉めしにくくなる」などの影響が出てきます。また、外壁や基礎部分にひび割れが発生する恐れもあるでしょう。地震の際に揺れやすくなり、倒壊するリスクも高くなります。

1-2.住んでいる人への影響

家の傾きは、住んでいる人の健康にも悪影響をもたらします。傾いた場所で長時間過ごすと平衡感覚がおかしくなり、頭痛やめまい・吐き気・肩こりなどの不快な症状を引き起こしてしまうのです。自律神経のバランスを崩し、不眠や食欲不振などの原因になることもあります。

2.家の傾きが起こる原因

家が傾く原因として考えられるものは、以下のとおりです。

2-1.地盤沈下

地盤沈下とは、建物を支えている地盤が沈下することをいいます。適切な地盤改良や補強工事を行わずに家を建ててしまったときに、このような事態が発生する可能性があるのです。また、家を建てたときは地盤に問題がなくても、年数が経過するとさまざまな要因から地盤沈下を起こす場合もあります。

2-2.地震による地盤や建物のずれ

大きな地震が発生した際、地盤や建物にずれ・ゆがみが生じてしまうこともあります。実際に、東日本大震災の際に地盤にずれや段差が生じ、建物が傾いてしまった例もあるのです。また、地盤に問題がなくても、建物自体が強い揺れによって傾いてしまうケースも少なくありません。

2-3.住宅の劣化・老朽化

住宅の劣化・老朽化が傾きの原因になることもあります。柱や梁・筋交いなどの基礎部分や下地材の劣化や腐食が進むと、建物全体が傾いてしまうことがあるのです。中古住宅に多い例ですが、築年数の浅い住宅でも起こり得る問題となっています。

2-4.設計上の問題や施工不良

施工時の基礎工事が不十分・使われている部品の強度が足りないなど、業者の施工不良が原因で家が傾いてしまうケースも珍しくありません。また、施工に問題がなくても、梁を支える壁の不足など、設計上の問題でも傾きが起こり得るということを覚えておきましょう。

3.家の傾きをチェックするポイント4つ

家が傾いているかどうかを判断するには、以下のチェックポイントを参考にするとよいでしょう。

3-1.体感で傾きを感じないか

普通に過ごしていて傾きを感じるようであれば、症状としては深刻でしょう。特に、床の傾きは体感で分かる場合が多いため、普段から意識してみてください。ただし、壁の傾きなど体感で分かりにくい場合もあるので、ほかのポイントもチェックしてみるとよいでしょう。

3-2.ひび割れがないか

外壁や内壁・天井などにひび割れや亀裂が入っていないか確認してください。ひび割れは家の傾きが原因で起こるケースも多いため、ひび割れの方向や程度もしっかりチェックしておきましょう。特に、基礎部分のひび割れチェックは重要なポイントです。床下などの基礎部分にひび割れが発生している場合は、できるだけ早く専門業者に調査してもらいましょう。

3-3.ドアや窓が開閉しにくくないか

家が傾くとドア枠や窓枠にゆがみが生じるため、ドアや窓が開け閉めしにくくなります。「ドアが勝手に閉まる」「きちんと閉まっているのに窓からすき間風が入ってくる」などの症状がないかチェックしましょう。

3-4.水の流れが不自然になっていないか

キッチンや浴室の水の流れをチェックし、不自然になっていないか確認しましょう。家の傾きがあると排水パイプにも傾きが生じ、水の流れが悪くなったり逆流したりすることがあります。「つまり解消の薬剤を使っても流れがよくならない」というときは、家の傾きが原因の可能性もあるのです。

4.家の傾きを補強する方法

家の傾きに気づいたら、早めに修正リフォームを依頼しましょう。業者による修正リフォームには、以下のような方法があります。

4-1.ジャッキアップ工法

基礎と土台の間や基礎の下に油圧ジャッキを設置し、建物を持ち上げて傾きを修正する方法です。建物を持ち上げたすき間に鋼板などをはめ込み、傾きを正常に戻します。ただし、この工法は地盤が原因で傾いている場合は適用できないため、別の方法で修正する必要があるでしょう。

4-2.薬剤注入工法

建物の下にウレタン樹脂などの薬剤を注入し、薬剤が発泡する圧力で傾きを修正する方法です。地面を掘り返す必要がないので工期は短く済みますが、5cm以上の大きな傾きには対応できません。

4-3.アンダーピニング工法

最も大掛かりな工法で、基礎部分に穴を掘り、地面下まで杭(くい)を打ち込んで建物を支え治します。耐久性も向上するため、大きな地震がきても安心です。大きな傾きにも対応できますが、工期が長く費用も高額になるため、負担の大きい工事といえるでしょう。

5.家の傾きに関するよくある質問

「家の傾きを何とかしたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.家の傾きを自分で計測することはできますか?
A.市販の水準器を使用すれば、傾きの大きさを計測することが可能です。3/1000を超えると要注意、6/1000を超えると早急に対応が必要になるため、参考にするとよいでしょう。

Q.業者に修正リフォームを依頼した場合の費用相場はどのくらいですか?
A.工法によって異なります。ジャッキアップ工法は200~260万円前後・薬剤注入工法は300万円前後・アンダーピニング工法は600万円~が相場です。

Q.突然訪問してきたリフォーム業者に「家が傾いているので工事したほうがよい」とすすめられました。その業者に工事を依頼して問題ないでしょうか?
A.悪徳業者の手口として多いため、利用しないことをおすすめします。実際は傾いていないにもかかわらず、不要なリフォーム工事をされて高額な料金をだまし取られてしまう可能性があるでしょう。信頼できる業者に調査を依頼し、リフォームの必要性を確認してください。

Q.リフォーム業者を選ぶ際のポイントは何でしょうか?
A.豊富な実績があるか・見積書の内容が明確か・費用は相場の範囲内か・丁寧でスピーディーな対応かなどをチェックしてください。

Q.  悪質なリフォーム業者とのトラブルはどこに相談すればよいですか?
A.国民生活センターの窓口に相談するとよいでしょう。適切なアドバイスをもらえるはずです。

まとめ

家の傾きを放置する影響や傾く原因・対応方法などを詳しくまとめました。家の傾きは建物にも住む人にもさまざまな悪影響をもたらします。「傾いているのではないか?」という疑いがあるときは、業者に調査を依頼しましょう。ぜひこの記事を参考に、早めに問題を解決してください。

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