入浴中に起こる事故は人ごとではない?原因や防止方法を解説!


「寒い時期は入浴中の事故が心配」と悩む人は多いでしょう。高齢な人ほど、入浴中の事故に遭う可能性は高くなります。その一方で、入浴中の事故は対処法しだいで防ぐことも可能です。

そこで今回は、入浴事故が起こる原因や防止方法を解説します。

  1. 入浴中の事故での死亡者は千人を超える
  2. 入浴中の事故が起こる原因
  3. 入浴中の事故を防ぐポイント
  4. 入浴事故の防止に関するよくある質問

この記事を読めば、入浴中の事故を防止するためにできることがよく分かるでしょう。入浴中の事故を予防したいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1.入浴中の事故での死亡者は千人を超える

厚生労働省の人口統計調査によると、平成28年度に入浴中に事故で死亡した人の数は5,000人を超えました。平成16年には2,800人前後でしたので、倍増したことになります。死亡した年代で最も多いのは、80代、次いで60代~70代です。また、事故が起こる時期は12月~2月と寒い時期が多くなっています。つまり、寒い時期になると高齢者が入浴中の事故で死亡する可能性が高くなるということです。

2.入浴中の事故が起こる原因

ではなぜ、入浴中に事故が起こるのでしょうか? この項では、原因の一例を紹介します。

2-1.急激な温度変化が血圧を乱高下させる

冬、寒い脱衣所で衣服を脱ぎ急いで湯船につかる人は珍しくないでしょう。急激な温度変化が起こると、体はそれに対応しよう血管をめまぐるしく収縮したり広げたりします。その結果、血圧が乱高下したり血管に強い負担がかかったりするでしょう。それが、脳出血や心筋梗塞を引き起こすのです。

2-2.温熱作用と静水圧作用による目眩(めまい)と失神

熱い風呂につかると、熱により手足の末端を通る末梢(まっしょう)血管が広がります。同時に下半身に水圧がかかることにより、静脈還流が増え血圧と心拍出量が増すのです。この状態から急に立ち上がると水圧が急になくなって心拍出量が低くなり、一時的な虚血状態になるでしょう。その結果、目眩や失神が起こりやすくなります。そのまま倒れてしまうと、お風呂のお湯で溺れたり浴槽の縁に頭をぶつけてケガをしたりすることもあるでしょう。

2-3.滑って転倒する

お風呂の床は滑りやすいものです。お風呂の床に滑り止めの加工があったとしても、そこにお風呂用のマットを敷いてしまっては役立ちません。床や浴槽内で滑って転倒して頭を打つと、そのまま失神して亡くなることもあるでしょう。また、浴槽の縁が高いと高齢者ではまたぎにくく、浴槽内に頭から転倒し、身動きができないまま溺れ、亡くなってしてしまうこともあります。

3.入浴中の事故を防ぐポイント

入浴中の事故を防ぐにはどうしたらいいでしょうか? この項では、その一例を紹介します。

3-1.温度差をできるだけ少なくする

脱衣所と浴室内に暖房をつけ、お湯の温度との差をできるだけ少なくしましょう。そうすれば、血圧の変化も穏やかになります。浴室暖房が設置してあるなら、それを使いましょう。脱衣所に暖房は置けるけど、浴室内は無理だという場合は、入浴前に熱いシャワーを2分ほど壁や床にかけておくだけで浴室内が暖まります。

3-2.入浴はゆっくりと行う

入浴前はかけ湯をし、ゆっくりと体を温めましょう。出るときも急に立ち上がらないことが大切です。また、お湯の温度は41℃前後にしておきましょう。あまり熱いお湯は体によくありません。

3-3.浴室内に手すりをつける

高齢になると筋力が衰え、踏ん張りがきかなくなります。浴室内に手すりをつける、段差がある浴槽に交換するなど工夫をしましょう。バリアフリーリフォームは、介護保険が使えることもあります。

3-4.家族が様子を見る

高齢者が入浴中は、家族が時々様子を見ましょう。また、浴室とキッチンや居間の間で通話できるシステムをつけるのも効果的です。事故が起こっても発見が早ければ助かる可能性が高くなります。

4.浴室内で事故が起こった場合の対処方法

浴室内で事故が起こったらどうすればいいでしょうか? この項では対処方法を紹介します。

4-1.お湯を抜いて助け出す

浴槽内で意識を失っている場合、お湯を抜いて助け出しましょう。どうしても動かせない場合は、お湯だけでも抜きます。また、反応があるかどうか肩を叩(たた)いて確かめましょう。ただし、大きないびきをかいて寝ている場合は動かしてはいけません。

4-2.救急車を呼ぶ

意識がない場合は、至急救急車を呼びましょう。その際、意識を失っている場所と反応の有無を伝えてください。それによって、対応が異なります。

4-3.呼吸がない場合は人工呼吸をする

脳出血の特徴がなく、意識を失って呼吸がない場合は、胸部を圧迫して心臓マッサージを行いながら人工呼吸しましょう。胸骨圧迫 30 回、人工呼吸2回を繰り返してください。人工呼吸ができない場合は、胸部圧迫だけでも続けましょう。

5.入浴事故の防止に関するよくある質問

この項では、入浴事故の防止に関する質問を紹介します。

Q.入浴中の事故は高齢者以外でも起こるでしょうか?
A.はい。若い人でも高血圧の人や貧血気味の人、太りすぎの人などは事故に遭う可能性が高いでしょう。

Q.脳出血が疑われる場合は動かしてはダメなんですね。
A.はい。体勢を安定させて救急車の到着を待ってください。

Q.飲酒後に入浴してはいけないと聞きましたが、本当ですか?
A.はい。飲酒していると判断力が低下し、血圧も上がりやすくなります。ほろ酔いであっても、飲酒後2時間以上間をあけて入浴しましょう。

Q.誰かと一緒に入浴すれば事故は防げますか?
A.その可能性は高いのですが、家庭の浴室では難しいことが多いでしょう。

Q.脱衣所にヒーターを置くだけでも違いますか?
A.もちろんです。ただし、家事には十分気をつけましょう。

まとめ

今回は、入浴中に事故が起こる原因や防止方法を紹介しました。「まさか自分が」と思いがちですが、入浴の事故はどんなきっかけで起こるか分かりません。特に、昔ながらの狭く寒い浴室ほど事故は起こりやすいでしょう。高齢になる前に浴室や脱衣所をリフォームしておくのも一つの方法です。また、湯船に入る際はゆっくりと体をお湯の温度にならしていってください。