築100年の古民家はリフォームできる?耐震・費用・残せる部分を解説
築100年ほどの古民家を所有していると、「ここまで古い家でもリフォームできる?」「建て替えたほうがよいのでは?」と迷うことがあります。
築100年だからという理由だけで、リフォームできないとは限りません。
実際に藤ノ家では、静岡市清水区で築100年の古民家をリフォームした施工事例があります。長年物置として使われていた和室と縁側をLDK・トイレへ改修し、既存の柱や梁、鴨居、障子などを活かしています。
ただし、築年数だけを見て「リフォームできる」と判断することもできません。同じ築100年でも、これまでの修繕状況や建物の傾き、床・基礎・柱などの状態は一棟ずつ異なるためです。
築100年の古民家リフォームでは、まず現在の建物を確認し、「残せるもの」「直すもの」「新しくするもの」を整理してから計画を立てることが重要です。
この記事では、藤ノ家の実際の築100年古民家リフォーム事例をもとに、リフォーム前に確認したいことや古材の活かし方、費用を考える際のポイントを紹介します。
- 築100年の古民家でもリフォームできる?
- リフォーム前に確認したい建物の状態
- 古民家らしさを残して暮らしやすくする方法
- 築100年の古民家リフォーム費用の考え方
1.築100年の古民家でもリフォームできる?
築100年という数字だけで、リフォームできる・できないを決めることはできません。
実際に古い家を改修できるかどうかは、現在の建物の状態や希望するリフォーム内容によって変わります。
藤ノ家には築100年の古民家リフォーム実績がある
藤ノ家では、静岡市清水区で築100年の古民家をリフォームした実績があります。
施工前は、
- 8帖の和室
- 床の間付き6帖和室
- 縁側
があり、長年物置として使われていた空間でした。
この部分を、LDKとトイレへリノベーションしています。
築100年ということもあり、既存の柱にはかなりの傾きがあり、床の高さも場所によってそろっていない状態でした。
藤ノ家では、それらを調整しながら、既存の柱、地松の梁、まぐさ(鴨居)を化粧として見せる仕上げにしています。
建具もすべて新しくしたわけではありません。既存の障子を塗装し直し、ガラス部分をアクリル板へ変更して再利用しています。
床にはサクラの自然塗装材、壁には漆喰とビニールクロスを使用しています。
築年数より現在の状態を見る
築100年というと、「古すぎて全部やり直さなければならない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、藤ノ家には築80年の古民家をトータルリフォームした別の事例もあります。
こちらは約20年前に大部分をリフォームしていたため、担当者は「通常のリフォーム」と説明しています。床の高さが場所によって異なる部分をできるだけフラットにし、低かった天井については天井裏の梁を見せることで空間を確保しました。
この2つの事例を比べても、築80年だから簡単、築100年だから全面的な大工事になる、と築年数だけで決まるわけではないことが分かります。
これまでどのように手入れされてきたか、現在どのような状態なのかを確認してからリフォーム内容を決めることが大切です。
2.リフォーム前に確認したい建物の状態
築100年の古民家をリフォームする場合、設備や内装のデザインを決める前に、現在の建物を確認しておきましょう。
床・柱・基礎など現在の状態
築100年の藤ノ家施工事例でも、実際に柱の傾きや床の高さの違いがありました。
古い住宅では、まず次のような部分を確認しておくと、どこまで工事する必要があるか整理しやすくなります。
- 床の沈みや高さの違い
- 柱や建物の傾き
- 基礎の状態
- 床下の状態
- 雨漏りの跡
- 屋根・外壁の状態
- 柱・梁・土台など木部の状態
ただし、これらに異常があるからといって、すぐに「リフォームできない」と判断するものではありません。
どの部分にどの程度の問題があるのかを確認し、必要な補修と希望するリフォームを整理していきます。
藤ノ家でも、築年数の古い家について、床下・基礎・柱や梁・屋根など現在の状態を確認することを案内しています。
耐震性もリフォーム前に確認する
築100年の住宅で大きな間取り変更や全面リフォームを考えている場合は、耐震性についても確認しておきたいところです。
藤ノ家では、トータルリフォームで間取りを変更するとき、耐震診断や構造計算によって撤去できる柱・壁を判断したうえでプランを提案しています。
古い柱や梁を見せたい、大きなLDKをつくりたいといった希望があっても、構造上必要な部材を自由に撤去できるわけではありません。
まず建物の構造を確認し、そのうえで残す柱・壁と、変更できる部分を整理します。
なお、藤ノ家の築100年施工事例では耐震工事の有無や耐震評点までは公開されていません。そのため、この事例について「耐震補強も実施した」とは断定できません。
大規模リフォームでは建築確認が必要になる場合がある
築100年の古民家で全面的なリフォームをする場合は、工事内容によって建築確認などの手続きも確認する必要があります。
2025年4月の改正建築基準法施行により、2階建ての木造一戸建て住宅などで行う「大規模な修繕・模様替」は、建築確認手続きの対象になりました【注1】。
ここでいう大規模なリフォームとは、壁・柱・床・梁・屋根・階段といった主要構造部のうち、1種類以上について過半を改修する工事などです。
一方、キッチン・トイレ・浴室など水回りだけを交換するリフォームは、この大規模リフォームには該当せず、従来どおり建築確認手続きは不要と国土交通省が案内しています【注1】。
古民家だから一律に建築確認が必要になるわけではなく、建物の階数・規模・工事範囲によって変わります。
全面リフォームを考えている場合は、プランを固める前に必要な手続きを建築士へ確認しておきましょう。
3.古民家らしさを残して暮らしやすくする方法
築100年の家をリフォームする意味は、すべてを新品に交換することだけではありません。
古い家だからこそ残っている柱・梁・建具などを、新しい生活の中へ取り入れる方法があります。
柱・梁・建具を活かす
藤ノ家では、古材を再利用したリフォームに対応しており、旧屋の柱・梁・建具などをリメイクして新しい空間へ取り入れることを得意としています。
築100年の施工事例でも、
- 柱
- 地松の梁
- まぐさ(鴨居)
- 障子
を活用しています。
古い部材をすべて隠したり交換したりするのではなく、使えるものを残すことで、築100年の家が持っている雰囲気を新しいLDKへ引き継いでいます。
ただし、「古い木だから必ず残せる」という意味ではありません。
藤ノ家公式サイトでは、古材を再利用できる具体的な強度・劣化基準までは公開されていないため、実際に残せるかどうかは現地の状態を確認して判断する必要があります。
床や天井は現在の暮らしに合わせる
古民家では、昔の生活に合わせた床や天井が、そのまま現在の暮らしに合うとは限りません。
藤ノ家の築100年事例では床の高さがそろっていなかったため調整を行い、築80年の事例でも、生活動線を考えながらできるだけ床をフラットにしています。
また、築80年の事例では天井が低かったため、天井裏にあった梁を見せる方法で空間を確保しました。
このように、古い部分をそのまま保存するのではなく、残したい雰囲気と現在の使いやすさを両方考えることが古民家リフォームのポイントです。
水回り・断熱も暮らし方に合わせて考える
古民家らしさを残しても、実際に暮らしにくければ長く住み続けるのは難しくなります。
キッチン・浴室・トイレなどを現在の生活に合わせたい場合は、水回りのリフォームを一緒に検討できます。
また、窓からの冷気や室温が気になる場合は、窓や断熱部分の改修を検討する方法があります。
藤ノ家では、水回りリフォームのほか、窓・壁・床などの断熱リフォームにも対応しています。
築100年だから「全部断熱しなければならない」と決めるのではなく、実際に困っている場所や今後の住み方を整理し、必要な部分から計画することが大切です。
4.築100年の古民家リフォーム費用の考え方
「築100年の古民家なら、リフォーム費用はいくらかかる?」という点も気になるところです。
しかし、築年数だけから一律の金額を出すことはできません。
藤ノ家の築100年リフォーム事例でも、具体的な工事費は公開されていません。
工事範囲によって費用は変わる
同じ築100年の住宅でも、
- 一部の部屋だけを改修する
- 水回りまで一新する
- 間取りを大きく変更する
- 耐震補強も行う
- 屋根や外壁も直す
- 窓や断熱まで改修する
では必要な工事が異なります。
さらに、床の高さ調整や柱・梁の補修など、現在の建物の状態によって必要になる工事も変わります。
| 確認する項目 | 費用が変わる主な理由 |
|---|---|
| 建物の状態 | 床・柱・基礎などに補修が必要か |
| 工事範囲 | 部分改修か全面リフォームか |
| 間取り | 壁・柱・水回りを移動するか |
| 耐震 | 補強工事を行うか |
| 断熱 | 窓・床・壁などをどこまで改修するか |
| 既存部材 | 柱・梁・建具などを残すか、交換するか |
そのため、「築100年なら○○万円」という数字だけを先に参考にするより、まず現地調査を行い、必要な工事を整理して見積もりを取るほうが現実的です。
残したいものと直したいものを先に整理する
古民家リフォームでは、希望を次の3つに分けておくと相談しやすくなります。
- 必ず残したいもの
- 安全性・使いやすさのため直したいもの
- 予算に余裕があれば改善したいもの
たとえば、「梁は見せたい」「古い障子は残したい」「キッチンとトイレは使いやすくしたい」といった希望を具体的にしておきます。
藤ノ家では、家族の希望を聞きながら、耐震性、耐久性、コスト、工事日数、メンテナンスなどを説明したうえでプランを提案しています。
古い家を全部新しくするのではなく、何を残して何を変えるのかを整理することで、その家に合ったリフォーム計画を考えやすくなります。
条件を満たせば耐震補助制度も確認する
築100年の木造住宅で耐震補強を検討する場合は、静岡市の補助制度を利用できる可能性があります。
2026年度の静岡市「木造住宅耐震事業」では、1981年5月31日以前に建築された、または同日に建築中だった対象木造住宅について、耐震評点1.0未満を1.0以上へ改善する補強計画・耐震補強工事を支援しています【注2】。
補助額は対象経費の8割、上限115万円です。
ただし、築100年だから自動的に利用できる制度ではありません。建物の用途、耐震診断結果、補強計画などの条件があります。
2026年度の申請受付期間は2026年4月6日から11月30日までで、2027年1月末までに工事を完了する必要があります【注2】。
補助制度を検討する場合は、工事を始める前に静岡市の最新条件を確認しましょう。
まとめ
築100年の古民家でも、建物の状態によってはリフォームして新しい暮らしへつなげることができます。
藤ノ家では実際に、築100年の古民家で、物置として使われていた和室・縁側をLDKとトイレへリノベーションした実績があります。
その際もすべてを新品にするのではなく、柱、地松の梁、鴨居、障子などを活かしながら、床を調整し、現在の暮らしに合う空間へ変えています。
築100年の古民家をリフォームするときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 現在の床・柱・基礎などの状態を確認する
- 耐震性を確認する
- 残したい柱・梁・建具を整理する
- 水回りや間取りなど改善したい部分を決める
- 必要に応じて断熱・屋根・外壁も検討する
- 工事範囲を決めて見積もりを取る
築100年という年数だけで「もう直せない」と決めるのではなく、まず今の建物の状態と、その家でこれからどのように暮らしたいのかを整理することが大切です。
藤ノ家では、静岡市を中心にトータルリフォーム、耐震リフォーム、水回り、断熱改修などに対応しており、古材を再利用したリフォームも行っています。
「築100年の家を残せるのか」「昔の柱や梁を活かしながら暮らしやすくしたい」と考えている場合は、まず現在の建物を見てもらい、残せる部分と必要な工事を整理するところから相談してみてください。
参考・出典
- 【注1】国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」
- 【注2】静岡市「木造住宅耐震事業」
