水害対策のリフォームで注意すべき点は? 被害を防ぐポイントを解説!

「水害対策のリフォームをしたいけど、具体的にどんなポイントを押さえておくべきか」とお考えではありませんか? 日本では、毎年のように水害が発生しており、人的被害だけでなく大きな物的被害が出ています。台風や豪雨をコントロールすることはできませんが、普段から水害対策を意識して行うことで、被害を最小限に防ぐことは可能です。たとえば、安心して暮らし続けるためには、建物のリフォームによる水害対策が必要になります。

そこで今回は、水害対策のリフォームについて詳しく解説しましょう。

  1. 水害には2種類ある
  2. 普段からできる水害対策
  3. 水害に遭ってしまった際の注意点
  4. 水害対策に有効なリフォームは?
  5. 水害対策のリフォームに関するよくある質問

この記事を読むことで、水害対策のリフォームを進めるポイントや注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.水害には2種類ある

最初に、水害の種類を外水氾濫と内水氾濫の2つに分けて詳しく見ていきましょう。

1-1.外水氾濫とは?

外水氾濫とは、川の水が堤防からあふれる、堤防が決壊するなどの理由により起こる洪水のことです。台風や大雨などにより、一気に河川の水量が増加したときに発生します。特に、河川に隣接する地域や海抜が低い地域では、注意が必要です。広範囲にわたり深刻な浸水被害をもたらし、場合によっては人命が奪われることもあります。外水氾濫が起こると一気に大量の水が流れ込むため、早めの避難が大切です。

1-2.内水氾濫とは?

内水氾濫とは、短時間に大量の雨が降ったなどの理由で、市街地などの下水処理が間に合わず、あふれてしまうことです。一気に雨水が下水管や排水口に流れた場合、河川に排出することができなくなり、浸水してしまいます。市街地では、道路がアスファルトで舗装されており、雨水を吸収することができないのも一つの原因です。最近では、ゲリラ豪雨の多発により、内水氾濫の事例が急増しているので河川から離れた地域や内陸部に住んでいる場合でも注意しましょう。

2.普段からできる水害対策

普段からできる水害対策にはどんなものがあるか詳しくご紹介しましょう。

2-1.自治体のハザードマップを確認する

普段から自治体のハザードマップを確認し、いざというときの避難場所や避難方法を把握しておきましょう。ハザードマップを普段からきちんと確認しておき、防災意識を高めておくことが大切です。たとえば、河川があふれたときに、浸水被害がどれぐらい予想されるのか、ハザードマップを見れば一目で分かります。また、避難経路の安全性も同時にチェックしておくべきでしょう。安全に見える経路でも、大きな浸水が予想される可能性があります。

2-2.側溝や雨水ますの掃除をする

側溝や雨水(うすい)ますの掃除をすることも、普段からできる水害対策の一つです。側溝や雨水ますに汚泥や落ち葉などがたまっていると、排水能力が極端に落ちてしまいます。汚泥や落ち葉で詰まらせないためにも、定期的に掃除しておきましょう。なお、掃除は地域全体で行うのが効果的です。近隣とも声をかけ合い、常に排水がよく流れる状態を維持しましょう。

2-3.土のう・水のうを準備しておく

いざというときに被害を最小限にするためにも、土のうや水のうを準備しておくことをおすすめします。土のうや水のうの専用袋は、ホームセンターなどで入手可能です。なお、以下のような方法で簡単に土のう・水のうを作ることもできます。

  • 厚手のゴミ袋を二重にして中に土や水を入れ、口を固く縛る
  • 厚手のダンボール箱の中にゴミ袋を開いて入れ、さらに土や水を中に入れて口を固く絞る
  • プラスチック製タンクに水を入れ、ブルーシートで包む

土のや水のうは、なるべく多く準備することが大切です。建物の入り口だけでなく、浸水が心配な場所に配置することを想定し、必要な数を用意しておきましょう。

2-4.大切なものは2階以上に保管する

大切なものは、2階以上に保管することも大切です。水害に遭った場合、1階に置いてあるものが大きな被害を受けます。多くの場合、雨水や汚水につかってしまえば、使いものにならないでしょう。日ごろから大切なものは、2階以上に保管する習慣を付けておけば、いざというときにも慌てずに済みます。

2-5.非常持ち出し袋を用意しておく

水害が発生したときに素早く避難するには、非常持ち出し袋を用意しておくことも大切です。非常持ち出し袋の中身は、こまめに見直して常に最良の状態にしておきましょう。よくあるのが、欲張り過ぎてあれもこれもと詰め過ぎた結果、重量が異常に増してしまい、実際に持ち出すのが困難になるパターンです。避難所で水や食料などが配給されることを想定し、現金・預金通帳などの貴重品や常備薬などを中心に、最低限必要なものを重視してまとめましょう。

3.水害に遭ってしまった際の注意点

水害に遭ってしまった際、どんな点に注意すべきか詳しく見ていきましょう。

3-1.避難できるときは迅速に避難場所に向かう

水害に遭ったばかりで、まだ避難できる余裕があるときは迅速に避難場所に向かいましょう。特に、高齢者や小さな子どもがいる場合は、素早く行動することが大切です。自宅待機を選んだばかりに、その後被害が拡大し、建物が浸水したり土砂崩れに巻き込まれたりして、大きな被害を受けたり命を落としてしまったりすることがあります。自分たちだけは大丈夫だろうと安易に考えてはいけません。

3-2.用水路や河川の様子を見に行かない

水害に遭ってしまったときには、用水路や河川の様子を見に行かないでください。気になるのも分かりますが、命取りになります。実際に、水害が発生した際、多くの人が用水路や河川の様子を見に行ったことで命を落としているのです。万が一、足を取られて流されてしまったら、命の保証はありません。また、地域の消防団や警察などにも大きな負担をかけてしまいます。わざわざ危険な場所に足を運ぶのはやめましょう。

3-3.内水氾濫の場合は地下から素早く逃げる

内水氾濫が起きたら、地下から素早く逃げてください。内水氾濫が起きた場合、最も危険なのは地下です。都市部では、地下鉄や地下街が多く存在しており、豪雨などによる急激な浸水で命をおびやかすケースもあります。外水氾濫と比較して軽視しがちですが、素早い判断と行動が大切です。

3-4.下水の逆流を阻止する

下水の逆流を阻止するのも、水害に遭ったときの対策として大切なことです。たとえば、以下のような場所で下水が逆流しやすいので注意しましょう。

  • トイレの便器
  • キッチンや浴室の排水口

具体的には、厚手のビニール袋を2枚重ねにしてから水を入れて口を縛ったものを、便器の水たまりやキッチン・浴室の排水口の上に覆うように置いてください。フタの役割をするので、下水の逆流を押しとどめることができます。面倒でも、一つ一つ対策しておきましょう。

3-5.建物内ではなるべく上層階に避難する

水害が発生した場合で、建物内で待機する必要があるときは、なるべく上層階に避難してください。特に、河川が氾濫した場合などは、あっという間に床上浸水してしまうことがあります。浸水してしまった場合、ひざ下程度の深さであっても足を取られてしまう可能性が高く危険です。また、浸水してくる水には下水も混ざっているため、感染症を予防する意味でも水につからないように気を付けましょう。なお、2階以上は水害時だけでなく、地震の際にも1階より倒壊の危険性が低いことからも、安全といえます。

3-6.最新の情報を常に入手する

安全な場所に避難した後は、最新の情報を常に入手しましょう。手回し充電タイプの防災ラジオがあると、水害時にも役立ちます。また、地域によっては被害状況や避難指示などが、防災無線によりアナウンスされることもあるでしょう。最新の情報に耳を傾け、すぐに次の行動ができるようにしておくことが大切です。

3-7.ホイッスル型の笛を首から提げておく

自宅のすぐそばまで水害が広がっている場合は、いつ自宅にも浸水の被害が及んでくるか分かりません。万が一、浸水により命の危険を感じたときに役立つのが、ホイッスル型の笛です。心理的に大きな負担がかかると、大声を出して救助を呼ぶことができない場合があります。しかし、ホイッスル型の笛があれば簡単に音を出すことができ、救助してもらいやすくなるでしょう。家族の人数分を用意しておき、水害発生時には首から提げておくことをおすすめします。

3-8.食中毒や感染症に気を付ける

水害に遭ったときは、食中毒や感染症にも注意してください。汚水には、多くの病原菌やウイルスが含まれています。水害時には手を洗わないまま顔や口元に触れたり、飲食したりしないように気を付けてください。水が引いた後の片付け作業も、必ず長靴を履き、厚手のゴム手袋をはめて行い、汚れている部分には素手で触れないようにしましょう。長袖・長ズボンを着用し、肌を出さないことも大切です。万が一汚水が肌に付着した場合は、キレイな水でよく洗い流しましょう。また、作業後は、手洗い・うがいを欠かさないようにしてください。

3-9.浸水した場所のコンセントは使用しない

浸水した場所のコンセントは、絶対に使用しないでください。コンセントの中に汚水が入り込み、泥やゴミがたまっている可能性が高くなります。また、内部に水分が入ったまま通電した場合、ショートしたり感電したりすることがあり危険です。電力会社に連絡してきちんとチェック・修理してもらい、安全を確認してから使用してください。

4.水害対策に有効なリフォームは?

水害対策に有効なリフォームにはどんなものがあるか、詳しくご紹介します。

4-1.強度のある雨どいに交換する

強度のある雨どいに交換すると、有効な水害対策になります。スチール製もしくは高耐候性素材を使用した雨どいがおすすめです。雨水の排水がスムーズに行われることで、建物への浸水被害を防ぐことができます。なお、強度の高い雨どいに交換しても、手入れ不足では意味がありません。定期的に雨どいの掃除を行い、排水に支障がないようメンテナンスすることが大切です。

4-2.屋根の下にルーフィングを入れる

建物の水害対策として、屋根の下にルーフィングを入れるのも効果的です。ルーフィングとは防水シートのことで、豪雨などによる雨もりが発生した場合に屋内への浸水を防ぐことができます。水害の被害は、足下からやってくるものばかりではありません。屋内で安心して過ごすためにも、屋根の下にルーフィングを入れて雨もりの被害を予防しましょう。

4-3.浸水に強い窓に交換する

水害時には窓からも浸水してきます。そこで、浸水に強い窓に交換するのもおすすめです。たとえば、複層ガラスに交換したり雨戸を取り付けたりするとよいでしょう。豪雨のときにも、窓から浸水しにくくなります。窓の対策がしっかりしていれば、暴風を伴う豪雨で窓ガラスをたたき付けるように雨が降っても安心です。

4-4.防水壁で建物を囲む

建物を防水壁で囲むようにすることも、効果的な水害対策です。防水効果が高い素材を使用することで、浸水被害を防ぐ効果が期待できます。たとえば、鉄筋コンクリート製の防水壁などがおすすめです。ただし、防水壁の高さが高ければよいというものではありません。高過ぎる防水壁は、景観を損ねたり日当たりが悪くなったりするなどのデメリットもあります。設置する際は、どれぐらいの高さにするか業者ともよく話し合って決めるとよいでしょう。

4-5.建物の床面を高くする

建物の床面を高くすることによって、建物への浸水を防ぐことができます。たとえば、基礎を高くしたり、1階をピロティ方式にしたりして住居部分を2階に作るなどの方法が一般的です。浸水被害に遭った場合を想定し浸水しない高さにすることで、建物の浸水被害を防ぐのに大きな効果が見込めます。

4-6.玄関に止水板を設置する

玄関からの浸水を防ぐには、止水板を設置することがおすすめです。止水板の高さまでは浸水を防ぐことができます。また、1階を片付けたり避難したりするための時間稼ぎにもなるでしょう。なお、自治体によっては止水板の設置に補助金が出ることがあるので、確認してみてください。

4-7.平屋を2階建て以上にリフォームする

現在平屋であり、予算が十分にあるのなら、2階建て以上にリフォームすることがおすすめです。特に、河川の近くや海抜が低い地域では、平屋より2階建ての建物のほうが命を守ることができます。平屋では、避難が遅れた場合に逃げる場所がありません。2階以上の建物なら、大きく浸水しても上階に移動して水が引いたり救助がきたりすることを待つことができます。人命第一を考えると、2階建て以上へのリフォームがおすすめです。

5.水害対策のリフォームに関するよくある質問

最後に、水害対策のリフォームに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。

Q.水害が起きた後にリフォームするデメリットは?
A.費用が想定以上に高くなりがちな点です。特に、浸水による建物や家財へのダメージが大きく、中には数百万円以上になることも多く見られます。また、心身共に疲労した中でのリフォームとなるのもデメリットでしょう。

Q.カーステップがあると水害時に困ると耳にしたのですが?
A.カーステップを設置すると、側溝に排水が流れにくくなることがあります。道路法に抵触する恐れがあるとの指摘もあるため、設置するにしても位置を限定するか、取り外し可能なタイプを適宜使用するとよいでしょう。

Q.水害対策のリフォームは何年に一度見直すべきか?
A.特に決まりはありません。しかし、水害はいつ発生するか分からないため、一度対策して安心し過ぎず、数か月単位で見直すことをおすすめします。対策が不十分な点を見つけたら、速やかに追加対策することでより万全にすることが可能です。

Q.水害の被害を受けた場合、保険金を請求するときの注意点は?
A.保険会社の現場確認を終えるまで、自己判断でリフォームをしないことです。浸水による汚れを掃除するときにも、掃除前の被害状況が分かるように、さまざまな角度からスマホやデジタルカメラで撮影しておくとよいでしょう。家具や家電などの家財の被害を補償してもらうためにも、掃除したり動かしたりする前に撮影しておくのがポイントです。

Q.水害対策のリフォームを依頼するにはどんな業者がおすすめ?
A.以下のポイントを満たす業者なら信頼できておすすめです。

  • 住宅リフォームで長年かつ数多くの実績がある
  • 水害対策の専門知識が豊富で、高い技術力を持っている
  • 丁寧な作業と高品質な仕上がりで定評がある
  • 現地視察と見積もりは無料
  • 分かりやすくてリーズナブルな料金システム
  • 希望の工期を優先してもらえる
  • スタッフの対応が丁寧かつ親切で、顧客からの評判もよい
  • 工事完了後も手厚い保証やアフターサービスを受けられる

なお、当藤ノ家でも、水害対策のリフォームをお受けしています。豊富な実績と経験により、安心して暮らせるリフォームをご提案していますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は、水害対策のリフォームについて詳しく解説しました。記録的な大雨や猛烈な台風などによる水害に備えるには、普段から防災意識を高めて準備しておくと同時に、リフォームできちんと対策しておくことがおすすめです。まずは、この記事を参考にして水害に強いリフォームを検討してみてください。予算に余裕がある場合は、平屋を2階建て以上に建て替えるのもおすすめです。いずれにしても、信頼できるリフォーム業者によく相談してみるとよいでしょう。

え?リフォームでここまで出来るの!?